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 来る09年7月25日(土)@渋谷で開催される,打楽器メインの新感覚イベント『Drumming High』。言わずと知れたロックドラマー・五十嵐公太さんと,同じくドラマーであり,ご自身が「Jungle Beer Drum Circles」という"ドラムサークル"(※1)の主宰者でもある酒井麿さんがタッグを組んだ企画です。

 

 これは,五十嵐さんが数年前から打ち出している『全日本人ドラマー化計画』の一つでもありますが,それって何? ドラムを叩くと,ドラマー人口が増えると,どんなイイコトがあるの? っというあたり,気になりますよね?

 

 未だかつて誰も体験したことがない,打楽器を使った魂のイベント,『Drumming High』とは? 今回のイベントの首謀者である五十嵐公太さんと酒井麿さんにお話を伺いました。

 

 

タブーは破るためにある!?

新しい可能性とは

 

――今回のイベント『Drumming High』のアイデアはどのように出てきたのですか?

五十嵐公太 「去年5月に,自身の『ONE*NESS』というDVDを発売したときの記念イベントでも,麿に"ドラムサークル"(※1)をやってもらったんですが,その楽しさは随分前にも教わっていたので『これはいいっ!』と,いつも思ってたんです」

酒井麿 「"ドラムサークル"って本当はパーカッションのみでやるものなんですが,僕がもっと枠をいろいろ広げたくて,ドラムを入れたりとかPAでビートを流したり,バグパイプを入れてみたりしてたんです。そこで同じパーカッションっていう意味ならドラムと組み合わせるのもアリなんじゃないかって」

公太 「せっかくやるなら今までにないことをやりたいねって話して,ショーとしてきちんと演出してみようとか,やってみたいイメージをどんどん出していったら,それはことごとく”ドラムサークル”の世界ではタブーなことばっかりで(笑)。それは逆に面白いねって」

麿 タブーはねぇ,やっぱり破るためにあるんだよね(笑)。教育とかを考えて均一化すると,いろいろNGが出てくるんだろうけど,僕も"ドラムサークル"をやっていて,どうして演出しちゃいけないんだろうとか,PAを使っちゃいけないんだろうっていつも感じてたんです。ショーとしてやるなら,どんどんそのタブーを破っていって,イベントとして確立させればいいなと思ったんですよ。ダメって言われると逆にやりたくなる性分なので,今,作っててすっごい楽しいの」

公太 「(笑)。ドラムとパーカッションだけでどれだけ楽しいことができるかなっていうのを目標としてるので,楽しくすることにタブーなんていらないじゃない? 規制なんて意味ない!って」

麿 「なので"ドラムサークル"としても初めての試みがいっぱいあるし,普通のライブイベントとしても初めてのことがいっぱいです」

 

 

打楽器を叩くことは

心にも身体にもイイ!

 

――これも,公太さんが掲げている『全日本人ドラマー化計画』のひとつですよね?

公太 「そうとも位置づけているんですが,企画の1つひとつが独立して大きくなっていくといいなぁって思ってます。"Drummin High”って言うのは,オレと麿のユニット名としても使えるし,イベントそのものとしても捉えてもらえるように,どんどん認知されるといいですね。大きな目標もあるんですよ! 今回はセンターステージで,スピーカーも全部中央に向いているんですが,ステージの真ん中にはずっと"ファシリテーター"(※2)の麿がいて,彼を取り囲んだ全員が主役になるようなシチュエーションにしたかったので。そういうことをしたいと思ったら……日本にはすばらしいセンターステージが組める場所があるでしょ? 九段下あたりに,金色の……」

――あっっ,玉ねぎ!?

公太 「そうそう。将来的には,あそこで大きなイベントができたらいいなぁって思ってます。そこまで頑張ろうって。まだ一回もやってないのにね(笑)。目標だけは大きくね」

――それはいいですねぇ!!

公太 「『全日本人ドラマー化計画』の一番の目的はね,ドラムとかパーカッションという打楽器は心にも身体にもイイコトだから,今のこの病んでいる世の中に,打楽器をもっともっと浸透させることなんです。それで自分たちができることは何かなぁと考えたのが始まり」

麿 「年に何度か,ドラマーだけが集まる『ドラマー飲み会』って言うのがあるんだけど」

――はい,以前参加させて頂いたことあります(笑)。

麿 「ドラマーばっかりで飲んでると,みんな普段から”叩いてる”からか,全然ストレスがないんだよね」

公太 「そうね! この協調性ってなんなんだろう!っていうくらい,いつもすっごく楽しい飲み会ができて,こんなにたくさんのドラマーが違和感なく,全員が楽しくいられるのであれば,ドラマーが増えたら世界は平和になるなぁってマジメに思ったのね。
って話したら,『フッ』って笑ったギタリストがいたけど(笑)」

――(一同笑)。

麿 「悩んだり考え込んじゃう人とかストレスを溜めやすい人とかは,結局どこかで発散させないといけないんだよね。だからお祭りとかがあるわけじゃない? リズムに合わせて身体を動かして発散させてハイにさせて。世界中で行われているお祭りの中で打楽器を使わない祭りはないんだよ。どんなに厳かなお祭りでも,逆にリオのカーニバルみたいなハデなものでもね。世界中,お祭りには必ず打楽器があって,それに合わせて参加した人たちがリズムを共有してるんだね。だからもともとお祭り自体が"Drumming High"ですね」

公太 「ホントにそうだね」

麿 「だから今の世の中,間違った方向に発散しちゃう前にね……」

公太 「毒出し,ガス抜きね」

麿 「そうね。"叩いてもいいモノ"を叩いて,ストレスを発散してもらおうと」

公太 「最近,全然ドラムを叩いたことがない人に『モノを叩いて褒められることなんて,ドラム以外にはないですよね』って言われた(笑)」

麿 「昔からお茶碗とか叩いたら絶対『やめなさい!』って言われるもんね(笑)」

 

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打楽器は初めて!

という人ほど参加してほしい

 

――そうすると参加者のターゲットは?

公太 「この楽しさを伝え広げるために,打楽器未体験の人にもたくさん参加してほしいですね」

麿 「叩いたことがない人は,1つのジェンベから出る音色の多さにビックリして,そこからハマって行くんです。1時間くらいのイベントでもこんな音が出るんだっていうところから,こういうリズムができた!って。ハマっていくうちにどんどんリズムが身体に入ってくるみたいで。以前,参加者からドラムサークルに参加した次の朝、『こんなにすばらしい目覚めを迎えたのは初めてです!』ってメールが来たことがあるくらい」

公太 「やっぱりなんか発散できてるんだね」

麿 「僕,中2のときに矢野顕子さんのライブ行ったら,いつもは寝起きが悪いのに,ライブの翌朝はめちゃくちゃ早く起きられたの。当時,新聞配達やってたんだけど,それもすっごく楽しくて。なんか朝から調子いいぞ!って。たぶんそれまで抑圧されてたものをライブで発散したんだろうね」

公太 「(笑)。文化や歴史として日本人が打楽器を人前で叩くっていう習慣があまりないから,どうしていいかわからないのかもしれないけど,それを僕らがガイドをしていきたいなって。"ファシリテーター"ってそういう役割だから。会場に来てくれさえすれば,あとは体の力を抜いて,うまーくリードしてくれるヤラシイ男がいるので」

麿 「ハハハハ(笑)!!」

公太 「是非,来て下さい」

麿 「リードは僕にお任せください!」

公太 「ドラムもそうなんだよね。最初はみんな,何をどうしたらいいかわからないって、みんな同じこと言うんだよ。スティックの握り方から何から。でもうまいガイド役がいれば『なんだ簡単じゃん』って思えるはずなんだよ」

――そうですね。

公太 「麿みたいにパーカッションもやるっていうドラマーって,意外と少ないんだよね。リズムを出すとか何かを叩くってことは一緒なんだから,本当は"両方ともできる"とか"できない"とかじゃないはずなのに。でもパーカッションはやり方がわからないとか,ドラムの叩き方わからないって言うの。よく日本のドラマーは"踊れない"って言われるけど,オレなんかもやっぱり何でもまず頭で考えちゃうんだね。そういう頭のカタイところをまず柔らかくしようよって。リズムに乗ったり,ビートを出すって言うことに対しての壁をどんどん壊していきたいなぁって」

麿 「僕はパーカッションを始める前までは,ドラムセットもスネア,タム,シンバルって時間をかけてこだわって選んで揃えてたのね。でもパーカッションは小物も含めて,演奏方法がすごく難しいものもあれば,『コレ,本当に楽器?』ってビックリするようなものもあるの。だから音が鳴らなかったら鳴るように叩けばいいじゃんってね。モノありきではなくて,まず踊る人がいるから,なんか音を鳴らそうよっていう感じ。だから例え良いモノでなくても,良い音を聴かせられるってことが分かってからは,ライブハウスに自分のセットを全部持ち込んでたのが,ありモノでも十分だって思えるようになったんだよね。今は,スネアとか少しは持っていくけど,その作業から解放された分,パーカッションを持ち込んだりして。ドラムセットがあって,そこからドラマーが生まれるっていうことよりは,リズムを出す人間がいて,ツールは何でもいいじゃないかって。ちょっと柔らかくなりすぎちゃったかもしれないけど」

――どんどんシンプルな考え方になったと。

麿 「そうそう。この前,飲み屋で楽器持って来てないのに紹介されたから,木の椅子にマイク近づけて叩いたらコンガみたいな音がしたのね。そしたらみんなビックリして。立派に普通のビートになるから。ドラムってすごく難しいとか,場所を取るとか,高いとか,音がうるさいっていうイメージで敬遠されがちなんだけど,そういうのは関係なく,リズムを楽しんで,ドラムを触ったことがあれば自分はドラマーだと思っていいんじゃないかな。そうすれば敷居がどんどん低くなって,『全日本人ドラマー化計画』の一歩になるよね」

公太 「とりあえず少しでも楽器に触ってもらう機会を作れればね」

麿 「普通のOLさんが会社帰りにちょっとむしゃくしゃしたから,スティック持ってスタジオ入って1時間叩いて,『あー気持ちよかったぁ?』って思ってもらえれば……」

――それ……まさに私ですね(笑)。私の場合はとくにストレスを発散したい!と思って叩いているわけではないですが,素直に楽しいんです。

麿 「OLのカガミだね(笑)」

公太 「だね(笑)。そういう女性が一人でもふたりでも増えてくれたら本望だな。でもバッグからスティックが見えるのはちょっとハズかしいなぁっていう人のために小さいおしゃれなスティックバッグを作りたいなぁとか,いろいろ考えてるんですよ。ドラムをやってることがファッションにもつながるような,みんなのステータスになるような広め方もしていきたいな」

  

 

実験的要素を盛り込み

リズムで自分を表現する

 

――7月25日(土)が初めてのイベントとなりますが,具体的には,どうなりますか?

公太 「1つのシナリオに沿った音楽を自分たちのパーカッションで1つずつ作っていこうと思っています。パーカッションを主体にして自分達の雰囲気と感情でくみ上げて最後まで持っていきたいですね」

――他の楽器も使いますか?

公太 「キーボーディスト兼マニピュレーターが1人と,チェロ奏者がいたりとか,ちょっと変わったコラボレートはしたいと思ってます。エンターテイメントをお客さんと一緒に作っていきたいですね。今回はRolandさんとPearlさんの全面協力で,V-Drumsも生ドラムももちろんいっぱい置きますよ」

――それはいいですね! 今回の会場はクラブですから,その空間や照明なども面白く使えそうですね。

公太 「これはもう実験レベルなんですが,例えば"ドラムサークル"だったら,野外とか夜とか自然と一体となってやることが多いんですが,今回はクラブという閉ざされた空間で,真っ赤な照明の中で叩いたらどんなリズムが生まれるんだろうとか,華やかな映像を流しながら叩いたらどうなるんだろうとか,メンタルな部分を追求してみたいっていう試みはありますね。一応ストーリーとかは考えてるんですが,とにかく何もかも初めてなので,どうなるんだろうなっていうワクワク感はすごくある」

麿 「"ドラムサークル"では,ストーリーを付けることもタブーだから,実はずっとやりたかったことなんです。本来,演出しないということは,イコール参加した人たちからグルーヴを引き出すっていうことだけど,今回はあえて演出もしてみたいなと。エンターテイメントにすることによって広がりを見せるなら,そのタブーは破り甲斐があるなって思うから」

――では直前ですが,最後に本番に向けてひとことお願いします。

公太 「着々と準備は整っているんですが,どんなものになるのか自分たちも想像の域でしかないので,今とても楽しみですね。自分も楽しみたいし,来てくれた人みんなが楽しいイベントになったらいいなぁって思います!」

麿 「自分達ができることをお見せするということよりも,みんなからいろいろ楽しいことを引き出して行きたいなって感じなので……」

公太 「ヤラシイなぁ……」

――(笑)。

麿 「一緒に昇天しましょう(笑)。僕もすごく楽しみにしています! 是非いらしてください」 

  

[edit&text] mirai (Drummer Japan) 

   

(※1)ドラムサークル…… 打楽器を使った即興演奏によるアンサンブル。参加者が輪になってジェンベなどパーカッションを叩きます。

(※2)ファシリテーター…… ドラムサークルのリズムをリードするガイド役。

  

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[Live]"Drumming High"

[Date] 09年7月25日(土) 17:00開演

[Place] 東京・ 渋谷womb

[Ticket] 3,000円(+別途Drink代)

※只今発売中!  ⇒コチラ!

[HP] http://www.drumminghigh.com/

  

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五十嵐 公太/kohta igarashi ⇒プロフィール

 

 

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酒井 麿/maro sakai ⇒プロフィール

  

更新:1247624437

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mirai

私自身は,学生時代にサークルで叩いていた程度で,現在はプレイヤーというよりは,リスペクトドラマーのライブへ通うのが楽しみとなっています。20代女子代表として,微力ながらお役に立てればと思っておりますので,皆様なにとぞよろしくお願い申し上げます。