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 06年秋に結成された長谷川浩二さん率いる,3ピースのどメタルバンド”STEEL ANGEL”。月1でのライブをやることを目標に活動をしてきた彼らが,先日約2年半ぶりに待望のNEW ALBUM『ALL RIGHT TOKYO』をリリース! それに伴い,6日間連続のライブツアーも慣行!

 インディーズの場でキャリアやお年頃がまったく異なる3人が,なぜ集まり,音を出すのか。今回,Drummer Japanでインタビューさせて頂きました!(前後編と,メンバーによる最新ALBUM『ALL RIGHT TOKYO』全曲解説も!お楽しみに!) 

  

 

千載一遇のチャンス!
運命のバンド結成

  

――お3方の出会いから結成までを教えて下さい。
小畑-JET-秀光(Guitar&Vocal/以下:hide) 「長谷川さんと初めて会ったのは,今から7?8年くらい前ですね。当時,スタジオのように使っていたライブバーで,月イチくらいでセッション大会がありまして,そのスペシャルゲストで来てくれたのが長谷川さんでした。僕とtoshiyaは"METALICA"と"MR.BIG"をほぼぶっつけ本番でやったんですがうまくいきまして。長谷川さんみたいなすごい人に会える機会はそうそうないですし,一世一代のチャンスかもと思って終演後に声をかけたら,すごく気さくに『ヨロシク!』って話してくれたんです」
長谷川浩二(Drums/以下kozy)
 「なんだよ,『ヨロシク!』って(笑)」
hide 「そしたら長谷川さんの方から『面白かったよ。いいプレイだった』って褒めてくれて。『きみ,仕事何かやってみない? 譜面,読める?』っていきなり誘われて,『いや全く読めないんです』と答えたら,『残念だなぁ』って。でも名刺もらって。」
kozy 「あげたっけ?」
H.toshiyanof3世(Bass/以下:toshi) 「もらった! もらった!」
hide 「で早速,名刺のアドレスに『今度メシ食わしてください!』ってメールして。その後とんとんと,当時僕とtoshiyaがやってた”FULL AHEAD”というバンドのプロデュースをしてもらって,全国ツアーに連れてってもらったり。そんな中,ちょうど長谷川さんが奇跡的にスケジュールが空くようなタイミングがあって,もしかしたらチャンスかも! って。食事してるときに,『バンド一緒に組んでもらえませんか?』って言ったら『いいよ?!やろっか。オレのタイコとお前のギターは合うと思う』って!」
kozy 「そんことは言ってないと思う……(笑)」
hide 「言いましたって! で,ベースも同じバイオリズムを持ったメンバーが欲しいって思ってtoshiyaに決まりました」
toshi 「今,言わなかったですが,僕もその間すっごいお世話になってました(笑)」
hide 「それが06年の秋です。で,月に1本のライブを目標にしようと思ったのに,長谷川さんのスケジュール帳を見たら実は真っ黒で。どうにかこうにか空けてくれたんです。『やると決めたらやる!』って」
kozy 「イイ男だ?(笑)」
hide 「ホントに感謝してます。運命だなって思ってるんですよ」

 

――(笑)。長谷川さんは,何故キャリアや,お年頃が全く異なるお二人とバンドを組もうと思われたんですか?
kozy
 「二人の人柄は以前から知ってたから何をするんでもOK!っていうのがまず前提でした。hideのプレイはオリジナリティーに溢れてたんです。コイツじゃなきゃ出せない音を持ってる感じはあったなぁ。いい意味でも悪い意味でも……悪い意味でも……(笑)」
hide 「おとととっ!!!悪い方が多くなってますよ!」
kozy 「あれだけガッツのある,メタルを越えたような音を出してるってヤツが新鮮だったんですよ。オレ,ジャパメタ世代だから上手くてヘヴィなギタリストとかいっぱい知ってるんだけど,彼は出会ったときはすごく若かったし面白くて新鮮に映ったんですね。常日頃ギター&ボーカルとしてはブッ飛んでればブッ飛んでるだけイイ!って思ってるから,それはピッタリだった」
――ではtoshiyanofさんは?
kozy 「toshiyaは逆に全然メタルじゃなかったの。でもプレイもしっかりしてて,性格的にも間を取り持つようなベーシストらしいベーシストで人柄もいいので面白いんじゃない?って。長谷川個人としては,いろんなジャンルの曲をやりたいので,一番ヘヴィなバンドを組んでみようかなぁっていう。後悔してますけどね(笑)」
――何てことをっ(笑)!
kozy 「やめときゃよかったよ。こんなにツラくなるとは……」
hide 「いえ,よかったんですよ(笑)」

 

――”STEEL ANGEL”の初めての活動は?
toshi  「いきなりレコーディングだったような。初めてのライブから1st.CDありましたもんねぇ」
kozy 「そうだっけ?」
hide 「もういつでもライブ活動が出来るように,曲は作ってたんです。そのままライブやっちゃってもよかったんですけど」
kozy 「たまたま僕の知り合いの女性ボーカリストのためのバンドを作るプロジェクトがあって,人選は僕に任されていたので,それならこの3人でやろうと。でもいざレコーディングの段階になったらそれがポシャってしまって。せっかくスタジオも押さえてたので,もったいないから”STEEL ANGEL”で3曲入りCDのレコーディングを」

――そのときにはすでにhideさんが曲を作られてたわけですから,すぐに作業に入れたと。
hide 「僕が大体フレーズを作ってきて,あとはみんなに遊んでもらうっていう感じで」
toshi  「だから1st.の「Victory」のイントロのマニピュレートの音は,hideが家で作ってきたのをそのままのを使ってます」
(そんな「Victory」試聴は⇒コチラ
kozy 「あのヘッポコな(笑)」
toshi  「ヘッポコな(笑)。まぁ僕は全然曲を知らなかったですけど……。もうベースとシールドしか持っていけるものがなかったので,行っていきなり覚えて」
kozy 「オレも譜面になってれば,いつものことなんですぐできるんだけど,でもフレーズをどう絡めるかはその場のテンションとかセンスとかで作っていったよね」

 

待望のNEW ALBUMは
怒涛のレコーディング

  

――それから今回NEW ALBUMの『ALL RIGHT TOKYO』リリースまで2年半。
kozy
「1st.がうまいこと資金も出て偶発的に録れちゃっただけにちょっと間が空いちゃいましたけど,本当はもっと早く次を録りたかったんです。レコーディングにはお金がかかるのに,バンドの貯金は皆無に等しかったので。売れる楽曲のタイプでもないし,お金を出しあったり必死感が出るのは違うかなと思ったので,月イチでライブをやるっていうのを基本的な目標を続けたり,タオルとかTシャツとかグッズを売ってみる中で貯金ができたら何かやろうって。で,今年2月に和佐田さん(=バーべQ和佐田氏)に,5月の西日本ツアーの話をもらったんです。手ぶらもなんだから最初はシングルにしようかと思ったらコイツらが『アルバムにしたい!』って」

――普段からライブで演奏してる楽曲はたくさんあったわけですからそこは問題ないですよね。
kozy 「でもアルバムとなると,やっぱりない袖は振れないなぁって思ってた時に”人のつながり”でね」
toshi  「神が……」
――神?
kozy 「(今回のツアーでも一緒に行動する)Funky末吉さんが,いいタイミングでスタジオを造ってくれて!」

――なるほど!
kozy 「で,hideが末吉さんとものすごく仲良くなって,その勢いで録っちゃうか!っと。皆さんのご協力の下,ものすごく破格なレコーディングが実現したんです(笑)」
hide 「泣いてましたね,Funkyさん……」
toshi  「一瞬,『ウッ』ってなってた!」

――(笑)そういえばHPに「お金のないバンドは使っていいよ」みたいなこと書いてありますよね!
kozy
「そうそう!」
hide 「最初,『1日50万?60万?どっち??』って言われたんですが,『いやいや,1日500円,600円の世界ですよ,Funkyさん!』って」

――(驚)ケタ違いすぎっ!!
toshi  「Funkyさんと前に二人で呑んだ時に,hideとお金の話すると反論できないくらいバカバカしい金額を言うから,『二井原実(LOUDNESS,XYZ→A)にも通ずるもんがあるんやけど,なんかバカ過ぎて,つい”えぇよ?”って言ってまう』って。話す気力がなくなっちゃうみたいです(笑)」

―― (一同爆笑)。
kozy
「そうだろうなぁ(笑)」
hide 「タダでお願いします!って言ったら『アホか!』って。じゃぁタダに限りなく近い金額で!と」
kozy 「そこで”えぇよ?”って言っちゃうんだ(笑)」

 

――(笑)いつごろ,どのくらいの期間で録っていたんですか?
kozy
「今年3月ですね。レコーディングは計6日間で8曲。つまりその他の作業を合わせると,1日4曲録らなきゃいけなかったんです」
hide 「切羽詰まってました……」
toshi  「そしたら長谷川さんが最初の日を飛ばしちゃって。全てがたまたまです」
kozy 「(手帳を見ながら)すでに決まってた予定+急遽”class”のレコーディングが入っちゃって」 
――遠目で見ても手帳,ギッチリですもんね……。では,作詞・作曲はどのように?
hide
「作詞は僕です。作曲はバンドでスタジオを借りて。僕がホワイトボードに譜面ぽいものを書き始めると……長谷川さんが直してくれるという……」
kozy 「イントロ⇒Aメロ⇒Bメロ⇒サビ……って曲の構成はだいたい決まってるので,彼らが持ってくるリズムを主体とした面白いメロディー,フレーズにいかにドラムを合わせるかが楽しいですね。だから『そこまでやらなくてもいいんじゃないの?』っていうくらい3人のフレーズをピッタリ合わせちゃったりすることもあります」

――今まで聴いてきたいろんなCDの中でもダントツでドラムの音が大きくて,うれしくなっちゃいました。
kozy 「それは,この二人がドラムが好きだから」
hide 「僕ら全員心はドラマーですから(笑),リズムを大事にしてます。それぞれが各々の楽器を弾いてるって感覚より,3人が一丸となって同じ楽器を弾いてるみたいな」
――だからと言って,もちろん他のパートがないがしろになっているわけでもなく。
hide
「そこなんですよ!3ピースのスゴさは」
kozy 「エンジニアの腕もありますけど,極力余分な音を入れないように。インディーズのよさでもあるけど,そういうところは好きなようにできましたね」
toshi 「本音はドラムのmixにあと1週間くらいかけたかったですけどね。ドラム好きですから」
hide 「本日の格言は”ロックはドラマーのもの!”ということで」
kozy 「これはhideの言葉として捉えてくださいね……(笑)。ただこのバンドはフレーズが肝だったりするので,それを際立たせるにはやっぱりリズムが大事ですね。リズム隊は一緒に録ったよね」
toshi  「もう大変でしたよ?。キューボックス(ミキサー付きのヘッドフォンアンプ)が1つしかなかったので,それを長谷川さんが使って,僕は小さなイヤホンをたくさん延長して長谷川さんの音とクリックだけで自分の音は聴こえないって状況で」
kozy 「末吉さんのスタジオね,ドラム入れたらいっぱいいっぱいで,ドラムの前1mくらいの隙間にでtoshiyaが座ってリズム録りをしました」

――そのときhideさんは?
hide
「別ブースで優雅に(笑)。『じゃ行きマース!あ,間違えたっ』とか」
kozy 「hideの間違えも気にならないくらいの音環境だったよね。とにかく期間が短くて。でもその辺はバンドの強みでいつもの通りにやれば大丈夫でした」

 

 

⇒後編はいよいよレコ発西日本ツアーへ!

 

   

 

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STEEL ANGEL
“STEEL ANGEL”は2006年9月15日に結成された。月に1本からのライブを大切に,ゆっくりだが確実に長く続ける事を目標にしている。「音楽」と言う無限の世界に挑み続けるバンドである。また,聞く人たちに楽しさと夢を与えて行きたいとも願っている。

[official HP]⇒コチラ

[試聴]⇒コチラ (「VICTORY」,「Viper」

   

 

kozy (Drums) 

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長谷川浩二。65年4月4日生まれ。83年から05年の約22年間,THE ALFEEの専属ドラマーとして活動。 年間60本から120本以上のホールでのコンサートツアーや野外イヴェント,海外コンサート,レコーディング,テレビ,ラジオ出演などに参加。 またアイドルからジャズの大御所まで,多種多様なセッションやレコーディング にも多数参加し,活動の幅を広げる。 97年にはリットーミュージックよりドラム教則ビデオ『長谷川浩二 On The Drums』をリリース。 06年よりアーティストサポート(近年ではTM Revolution,abingdon boys school,筋肉少女帯など),セッション(KOREKATA ROCK UNIT,TOSHIMI session,HAMMER’S WORKS,山口真文GROUPなど),レコーディング,多数の自己のバンドで更に積極的に活動している。その超絶テクニックと絶妙なグルーヴで,特に高速ツーバスドラマーとしては日本を代表する存在であり,カリスマ的な人気を誇るトップドラマー。また,現在継続的に活動する代表的なバンドとして,"ExhiVision(エキシビジョン)"と"STEEL ANGEL"がある。

  

 

小畑-JET-秀光 (Vocal&Guitar)

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79年生まれ。98年バンド”SILENT SCENE”でメジャーデビュー。年間80本近く全国ライブを周る。00年バンド”FULL AHEAD”を立ち上げギターボーカルを務める。Jリーグ柏レイソルの入場テーマソングに”FULL AHEAD”の曲が使われている。雑誌「YOUNG GUITAR」に新型ロックギターリストとして掲載される。作詞,作曲,アレンジ,プロデュースなど多方面で活動中。近年は,”LOUDNESS”の二井原実氏,“EARTHSHAKER”の石原"SHARA"慎一郎氏等,多数大御所アーティストと共演!。今やHARDROCK界のメタル野郎と言っても誰も振り向かない存在だ!STEEL ANGELではギター,ボーカルを任されているが,kozyのオーラに消されている事にも気づかない,羨ましくも悲惨なアーティストでもある。

 

  

H.toshiyanof3世 (Bass)

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79年生まれ。00年小畑秀光と”FULL AHEAD”を立ち上げるベーススクールの講師や数々のセッションをこなし,高い評価を得る。過激なベースサウンドとは裏腹にお茶目な性格が女性に人気。

 

 
【取材協力】
「MUSIC CAFE & BAR RAZZLE(ラズル)」 

[address] 東京都新宿区荒木町16ベルウッドビル2F

      (都営地下鉄新宿線「曙橋」駅A4出口より徒歩1分!)
[tel] 03-6457-4870
[HP] http://razzle.at.webry.info/
[営業時間] 17:00-23:00 (不定休ですので,ご来店の際はHPなどでご確認ください)

更新:1246103746

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mirai

私自身は,学生時代にサークルで叩いていた程度で,現在はプレイヤーというよりは,リスペクトドラマーのライブへ通うのが楽しみとなっています。20代女子代表として,微力ながらお役に立てればと思っておりますので,皆様なにとぞよろしくお願い申し上げます。