2006年
リズムとは何か?ということについて考えてみましょう。
まず、リズムとビートは違うものであるということをわかってもらうために次のことを考えてみてください。
例えば机をトトトトトトトトト....と規則的にくりかえし叩くとします。このときの音はある特定のリズムをあらわしているでしょうか?
この音を聞いてみてください。
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どうですか?
ハイハットの音は一定の間隔で、でていましたね。にもかかわらず、リズムが3種類でてきたように聞こえましたよね。つまり、上の問題は、ある特定のリズムをあらわしてはいないといことなのです。では、机を叩いていたトトトトト、、、という音はいったい何なのでしょう。実はこれがビートなのです。ビート(beat)とはもともと音楽用語的には「拍」という意味です。
拍とは拍子の単位のことで、音の規則的な刻みのことです。拍を基準としてテンポが設定され、小節がわりふられるわけです。たとえば4/4というのは、1小節に4分音符が4拍分あることをいいますよね。8/8であれば1小節に8分音符が8拍分、16/16であれば1小節に16分音符が16拍分あるということができます。
つまり、4/4とは1小節を4つに分けることであり、8/8とは1小節を8つに、16/16は16こにわけるということになりますね。このことから考えると、ビートとは拍のことだから、8ビートとは8拍のことをあらわしていると考えることができます。1小節を8つに分けることだというようにも考えられます。
本来なら、8ビートとは「8拍」という意味であり、リズムをあらわす言葉ではないといことになるのです。
では、リズムとは何でしょう?
リズムとは、楽曲の流れにそって規則的にくりかえされる音に強弱(長短や高低のときもある)をくわえたものということです。別な言い方をすれば拍に強弱(や長短や高低)をつけたものとも考えられます。拍という土台のうえにリズムが創られるということです。さきほど聞いていただいた音も、ハイハットの音がビートの役割をしていて、バスドラとスネアで強く音を出して、リズムを創り上げたということです(ハイハットの音は常にビートの役割をするとは限りません)。ですから、同じようなハイハットの刻みの上にいろいろなリズムが乗っかるように感じたわけです。
僕のレッスンでは、8ビートという言葉は、あえて使うとき以外は使っていません。そのかわりに8フィールとい言葉を使います。なぜなら、ビートとリズムが同じような意味で使われてしまうことになり、リズムというものをしっかりと理解する上で弊害が多いからです。 このようにリズムとビートは違うものであるということをしっかりと理解しておいてくださいね。