16フィールとはなにか? – フィールとは感じるということ

ここでは、16フィールとはなにかということについて考えてみましょう。
まず、この譜面の音をきいてみてください。

16feel

 

こんな感じのリズムが16フィールです。もちろん、ハイハットが16分音符を常に出していなければならないわけではありません。前のページの8フィールの定義の時にも書きましたが、8ビートとか16ビートというのは日本語なのです。そして16ビートのビートという言葉はリズムという意味で使われているのです。ビートという言葉の意味がしっかり理解できていて、あえて使うのであればいいとは思いますが、初心者には分かりにくいと思いますので、僕のレッスンではフィールという言葉を使っています。

16フィールの16とは何かというと、16分音符(1拍は16分音符4つでできていると仮定しています)のことです。

そして16フィールとは、あたかも16分音符の2番目か4番目、もしくはその両方を強調したように感じるリズムのことです。

 

なぜ2番目と4番目なのでしょうか?
8フィールがあたかも8分音符を強調するように感じるリズムと定義したように、16フィールも16分音符を強調したかのように感じるリズムのことと定義したらいいのではないかと思われるかもしれません。いちいち、2番目と4番目などと面倒なことを言わずにすむのではないかと。
しかし前のページを読んだ方はお分かりかと思いますが、16分音符の1番目と3番目を強調してしまうと、8フィールになってしまいます。

例えばこんなふうに。

8feel

これは聞いた感じあきらかに8フィールですよね。 つまり16フィールにおいては、強調する位置が2番目と4番目であることが重要なのです。 こんどはこれを聞いてみてください。

 

16feel

どうですか?おもしろいでしょ?「これ8(エイト)じゃん!」って感じませんでしたか?これは、2番目や4番目を強調していますから、見た目には 16フィールなのですが、実際に聞いてみると8フィールにきこえますね。不思議ですね。これを強引に16フィールであると解釈すると、譜面を見せればなんとか相手にも伝わるかもしれませんが、おそらくは混乱してくると思います。ですから「あたかも」「感じる」という部分が重要であるのです。
リズムを定義するのは難しい面が多いですね。

そしてこれもよくある16フィールです。

 

16feel

つまりハイハットが8フィールのときとまったく同じであっても16フィールを感じさせることができるということですね。
こうして考えてみると8フィールと16フィールとの差はじつは紙一重であることが分かりますね。親戚みたいなものでしょうか。自分がよく使っているフィーリングに翻訳されることもあります。16フィールを叩いているのにシャッフルに聞こえてしまうというものもあります。リズムって面白いですね。

山背弘

プロ「に」教えるドラマー。 モーラー奏法の根本は身体操作にあると見抜き、モーラー奏法を進化させることに成功する。また世界で初めてグルーブを音楽的に解析する方法も構築し、双方を現代ドラミングとして提唱している。著作には国内初の「モーラー奏法の革新書」がある。レッスンのお問い合わせ:hiromu@drumlesson.cc